テキストサイズ

華のしずく~あなた色に染められて~

第28章 【剣(KEN)~華のしずく~】 運命の邂逅

「お前、どうした?」
 龍伍が優しく訊ねると、子どもはワッと泣き出した。代わりに、富吉が話す。
「こいつのおっとう、腕の良い飾り職人らしいんだけど、親方のところの金を盗んだって」 と、泣いていた子どもが突然、叫んだ。
「嘘だ。おいらのおとっつぁんは盗みなんかしない。本当は親方がどこかへしまい忘れた金のはずだって、おとっつぁんは言ってるのに、岡っ引きは信じちゃくれねえんだ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ