テキストサイズ

華のしずく~あなた色に染められて~

第28章 【剣(KEN)~華のしずく~】 運命の邂逅

「おう、富」
 龍伍が気さくに声をかけて、手招きする。十になる富吉(とみきち)というのもやはり弟分で、身寄りのない子である。
「なあ、こんな子どもがいたんだ」
 富吉が連れてきたのは、七歳くらいの男の子だった。粗末な着物から見て、その日暮らしの裏店住まいの子どもだろう。富吉がその子を前に押し出すようにした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ