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「うわあ」
　子どもたちが歓声を上げて、包みに寄ってくる。龍伍はそんな微笑ましい光景を眺めた後、一人で庭に出た。
　申し訳程度の庭には雑草が丈高く生い茂っている。早くも夏を思わせる太陽に灼かれて、草いきれが龍伍を包み込む。
　ふいにガサリと草を踏みしだく音がして、龍伍はハッとした。キュルルと鼻を鳴らす声がして、現れたのは小さな子犬であった。