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「旦那、たとえ相手がお武家であろうが、人殺しは人殺しだ。このまま野放しにしておいちゃあ、何人の罪もねえ娘が犠牲になるか知れやしねえ。何とかお縄にはできねえんですかい」
「龍伍、止めろ！！」
　留五郎が龍伍に怒鳴った。しかし、傍らのまだ若い同心は、チラリと龍伍を見ただけで返事もしなかった。
　龍伍の中で激しい憤りがふつふつと湧いていた。