テキストサイズ

華のしずく~あなた色に染められて~

第3章 【華のしずく】~夏雷~

 信成もまたあまたの家臣や領民たちの手前、女々しい行動は許されない。彼の視線と珠々の視線が一瞬、絡み合い離れた。信成もまた城に残してゆく珠々の身を案じ、戦に赴くのだ。珠々は行列が小さくなり、見えなくなるまでその場所で見送った。
 行列の最後尾が見えなくなり、珠々はポツリと呟いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ