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華のしずく~あなた色に染められて~

第3章 【華のしずく】~夏雷~

「お方様が殿のご内室様となられて、まだほんの九ヶ月、一年にも満たぬのでございます。お二人ともまだまだお若うございますれば、直に良いお子に恵まれましょうほどに、何もご案じめさいますな」
 信成に連れてこられたばかりの頃、楓は珠々に対しても冷たかったけれど、今や母代わりとも言えるほど無くてはならぬ存在になさっている。珠々もまた楓を何より頼りしていた。

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