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華のしずく~あなた色に染められて~

第3章 【華のしずく】~夏雷~

 信成は思案顔であったが、すぐに明るい笑いを浮かべた。
「なるほど、そちの申すことにも一理ある。武士に温泉とはいかにも不似合いじゃが、確かに、薬師の申すようにこの湯に毎日入るようになって、傷の方だけでなく打ち身による痛みも随分と楽になったような気が致すでの」
「されば、殿、殿ご自身がおん自らのご体験を踏まえられた上でご家臣方にお勧めなされたれば、いっそうの効果がござりましょう」

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