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華のしずく~あなた色に染められて~

第3章 【華のしずく】~夏雷~

「殿、良い考えがござりまする」
「何だ?」
 信成が珠々の躰をまさぐっていた手を止めた。何事かという表情で珠々の顔を見る。珠々は微笑んだ。
「この朱雀の国にははるか昔より各地に天然の温泉が湧き出でおります。この戦で怪我をなされしご家来衆に温泉に入ることを殿おん自ら奨励なされてはいかがてござりましょう」
「―」

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