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華のしずく~あなた色に染められて~

第3章 【華のしずく】~夏雷~

 信成は珠々の躰を力を込めて抱きしめながら、その唇を吸った。この温泉は小さいながら、周囲を苔むした天然の岩に囲まれている、いわば岩風呂である。
 そのぬめりのある岩に半ば背を押しつけられるようにして、珠々は信成の接吻を受けた。信成の舌先が珠々の口腔に割り入ってくる。彼の舌はまるで意思を持つ生き物のように自在に動き、珠々の舌を絡め取った。
「あ―」

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