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華のしずく~あなた色に染められて~

第5章 【華のしずく】~永久(とこしえ)~

 秀吉の居城に到着した珠々は、その翌日、千畳座敷と呼ばれる大広間に案内された。実際に千畳の広さがあるわけではないが、あまりに途方もなく広いので、いつからともなくそのように呼ばれるようになったという。
 昼間だというのに、座敷の内には幾つもの燭台がずらりと両脇に並べられ、ろうそくの先に灯った炎が一斉に揺らめき、どこか幻想的な現実離れした雰囲気を作っていた。

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