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　秀吉のいでたちはといえば、縹色(はなだいろ)（やや薄い藍色）の地の着物には竜の模様が織り出され、袴は華やかな紫、それに朱色の羽織であった。
　羽織には背中に金糸で竜の縫い取りが大胆に施されている。全体的に派手な身なりで噂どおりの伊達ぶりを好むらしいが、常人が身につければ浮いてしまい、滑稽にしか見えぬ奇抜ないでたちも彼が着ていると少しも不自然ではなく、むしろ似合ってさえ見える。