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華のしずく~あなた色に染められて~

第5章 【華のしずく】~永久(とこしえ)~

「俺は、そなたの恋しい良人を殺した憎き仇じゃ。どうだ、その刀で俺を斬るか?」
 触れれば音を立てて割れるのではないかと思うほど、その場に緊迫した静けさが満ちた。
 小姓が固唾を呑む音が響く。
 だが、しばらく経ち、珠々は長刀を静かに鞘に元どおりおさめると、秀吉に差し出した。
「大変興味深く拝見致しました」

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