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華のしずく~あなた色に染められて~

第5章 【華のしずく】~永久(とこしえ)~

 試すような物言いに、珠々は唇を噛んで言った。
「蒼き竜と呼ばれる羽柴様がかような卑怯なことを申さるるとは思いもしませなんだ」
「なに、俺が卑怯と申すか」
「さようにごさいます。竜は聖獣にて、天の御遣いでございますれば、その竜の化身と謳われる、あなた様がそのような人の道に外れたご無体をなさるとは、到底思いも及びませぬ」
 珠々は言い終えると、婉然と微笑んだ。

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