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華のしずく~あなた色に染められて~

第1章 【華のしずく】~出逢い~

 珠々はとうとう誘惑に負けて、布団に潜り込んだ。珠々がこれまで使ったこともないような絹の衾(ふすま)である。まるで鳥の羽か雲に包まれているような心地よさが快いまどろみにいざなう。珠々はすぐに深い眠りに落ちていった。
 気が付いた時、部屋の中は薄い闇に満たされていた。枕許に人影があるのにハッとして飛び起き、珠々は悲鳴を上げた。
「―!」

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