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華のしずく~あなた色に染められて~

第1章 【華のしずく】~出逢い~

 湯から上がると、さっぱりとした心地になった。楓が用意していった白い小袖を身にまとい洗い髪を丁寧に拭いているところに、楓が現れた。廊下を歩いて先ほどの部屋に戻ると、また一人になる。部屋にはいつしか夜具がのべられている。しばらく座っていた珠々は次第に耐え難い睡魔に襲われた。早朝に突然、見も知らぬ男に城へ連れてこられ、長い一日がやっと終わろうとしていた。珠々は思いの外疲れていたのだ。

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