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華のしずく~あなた色に染められて~

第8章 【雪の華~華のずく~】 三

「その折、母上は既にわしを身ごもっておった。そなたの父は、身重の母を無理に犯したのじゃ。まさに畜生にも劣るふるまいよ」
「そんな!!」
 徳姫は俄(にわか)には信じられぬ心地であった。慈しみに満ちた秀吉の笑顔が浮かび、消えていった。
「まあ、良い。そなたの父がわしの母にしたのと同じことを、そなたにもしてやろう」
 信晴が突然、徳姫の手首を掴んだ。

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