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華のしずく~あなた色に染められて~

第8章 【雪の華~華のずく~】 三

 信晴の舌が徳姫の中へ侵入しようとするのを、徳姫は固く唇を引き結び夢中で拒んだ。
「いやっ」
 大粒の涙が溢れ、頬をつたった。
 信晴のことを好きなはずなのに、心も身体もすべてが今、信晴を拒絶していた。こんな形で信晴と結ばれるのは嫌だった。
 だが、信晴は執拗に迫ってくる。むさぼるような激しい口づけに、徳姫は息苦しさを憶えて、もがいた。懸命に逃れようとしても、逃れられない。

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