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華のしずく~あなた色に染められて~

第8章 【雪の華~華のずく~】 三

 その時、凛とした声がその場の空気を慄わせた。
「お止めなさいませ」
 刹那、信晴の動きが止まった。
「は、母上」
 信晴が慌てて徳姫から手を放す。
 侍女を二人背後に従えて現れたのは、他ならぬ二ノ丸の女主人貞心院であった。
「昼日中から何をなさっておいでなのですか、お館さま」

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