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華のしずく~あなた色に染められて~

第8章 【雪の華~華のずく~】 三

「この打ち掛けは羽柴さまが下されたものなのです」
「え―」
 思いもかけない告白に、徳姫は言葉を失った。
 改めて自分の肩にかけられた打ち掛けを手に取ってみる。地色そのものは黒と地味だけれど、大胆に施された花の色が濃く華やかで、むしろ派手やかな印象を与える。
 言われてみれば、確かに秀吉の好みそうな意匠であった。

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