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華のしずく~あなた色に染められて~

第8章 【雪の華~華のずく~】 三

貞心院は、まさにあの椿の花のような女性であった。しんしんと絶え間なく降りしきる雪の中、それでも凛として頭(こうべ)を持ち上げ真っ直ぐに前を見つめている、そんな潔さが確かに貞心院には感じられた。恐らくは、彼女のその潔さが天下人秀吉の心を動かしたに相違ない。
 つくばいの中でも懸命に花を咲かせようとする椿、自分もまた、そんな存在でありたいと徳姫は切に願う。

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