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華のしずく~あなた色に染められて~

第8章 【雪の華~華のずく~】 三

 その言葉にいざなわれるように視線を庭に移せば、いつしか白いものが天から舞い降り始めていた。
 冬に降る雪は春に咲く桜の花びらにも似ている。
「今年はいつになく雪の多き年じゃ」
 貞心院の呟きを、徳姫は舞い散る雪の花を
眺めながら聞いた。

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