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華のしずく~あなた色に染められて~

第8章 【雪の華~華のずく~】 三

 その翌朝。
 信晴から届けられたという梅の花を柏木が徳姫の許に運んできた。青磁の花器にやや大ぶりの枝が活けられており、枝には紅い花がたくさんついている。枝には、こより状の紙が結びつけられており、開いてみると、それは文であった。
 紅色の美しい薄様紙に達筆で記された手紙の内容は、昨日の無礼に対する詫びと自分が駄目にしてしまった梅の花の代わりにこれを贈る―としたためられていた。

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