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　その様を見て、秀吉が満足げに頷く。
　が、いきなり強い酒を飲み、明子はすぐにむせてしまった。コホコホと咳き込むあまり、涙が眼尻に滲む。
「俺に逆らおうなどと、十年早い。すぐむきになるとは、やはりまだまだ子どもなのだな。どうせ酒など生まれてこのかた、口にしたこともなかろうに」
　秀吉が苦笑混じりに呟き、咳き込む明子の身体を引き寄せた。大きな手のひらが背中をゆっくりと撫でる。