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華のしずく~あなた色に染められて~

第10章 【紫陽花~華のしずく~】一

「―!!」
 その刹那、明子は言葉を失った。何故、秀吉が誰もおらぬはずの部屋での常磐井との話を知っている!? 
 あの話をしていた時、確かに部屋には明子と常磐井主従しかいなかった。それも、場所は奥向きの更に奥まった明子の私室である。人払いもしており、近くには誰もおらず、二人の他愛ない話を聞く者もいなかった―はずだ。

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