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華のしずく~あなた色に染められて~

第10章 【紫陽花~華のしずく~】一

「ホウ、そちは葛葉に妬いておると見える」 秀吉の熱い吐息が明子のうなじをくすぐる。揶揄するような物言いに、明子の頬が染まる。それを見て、更に愉しそうに秀吉が言った。
「それとも、そなたも抱いて欲しいのか?」
 秀吉が明子から身を離したその瞬間、ピシャリと小気味の良い音が寝室に響いた。明子が秀吉の頬を打ったのだ。

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