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華のしずく~あなた色に染められて~

第11章 【紫陽花~華のしずく~】二

 侍女の葛葉はあの翌日、暇を取っていた。常磐井すら知らぬ間に、姿が奥御殿から消えていたという。そのこと自体が秀吉と葛葉の拘わりを証明していた。葛葉の消息は知れなかったが、秀吉の拘わっている女の数は明子なぞの想像もつかぬほどであることが窺い知れた。

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