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華のしずく~あなた色に染められて~

第11章 【紫陽花~華のしずく~】二

 秀吉が驚いたように、色素の薄い眼を見開いた。
「私は―私は、秀吉様をお慕いしております。たとえ、どのように憎まれ嫌われても、初めてお逢いしたときから―」
 そう、初めて対面したその瞬間から、この男の強い光を宿した眼に心奪われた。憎みながらも、強くひきつけられずにはおれなかった。自信溢れた態度のその裏には人知れぬ恋に苦悩する素顔が隠れていた。その素顔を知って、いっそう恋せずにはいられなかった。

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