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華のしずく~あなた色に染められて~

第11章 【紫陽花~華のしずく~】二

「最初にそなたに出逢うていれば、俺はそなたを愛したやもしれぬな」
 その呟きが明子の耳に届いたかどうかは判らない。それほど、そのひと言は小さな声で囁かれたものだった。だが、自分の背に回された秀吉の手に力が込もったのを、明子は感じていた。

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