テキストサイズ

華のしずく~あなた色に染められて~

第11章 【紫陽花~華のしずく~】二

「言いたかったのはそれだけ。マ、あんたと出逢ったのも何かの縁だろうから、拓人さんに棄てられて困ったときはあたしのところに来ると良いわ。あたしの眼は節穴じゃないからね。きっとあんたを花街ナンバーワンの女にしてあげる。大学に行くくらいのお金は楽々稼げるわよ」
 煙草から紫の煙を立ち上らせながら、彼女は背を向けてゆっくりと去っていった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ