テキストサイズ

華のしずく~あなた色に染められて~

第11章 【紫陽花~華のしずく~】二

 ならば、やはり、歓びだけでなく哀しみ苦しみさえも共に乗り越えようとする気持ち、それが愛と呼べるものかもしれない。あの涼子は果たして、どのように考えているのだろう。拓人となら、どのような人生の試練も受け止めて乗り越えていけると考えているのか。
 十七歳の愛奈には、まだ理解するには深すぎる愛の深淵だった。今の愛奈にとって、涼子はまさに大人の女に見える。外見ではなく、彼女の生き方、愛し方そのものが。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ