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華のしずく~あなた色に染められて~

第12章 【残菊~華のしずく~】序章

序章

 ひらひらと気紛れな秋の風にこの葉が舞う。五喜(いつき)はそっと手をかざす。この木の葉を集めて、糸に通したならば、素敵な首飾りができる。それを差し上げたなら、藍丸様はいかほどお歓びになるだろう。そんな想いに小さな胸を躍らせながら、せっせと地面に落ちた木の葉を拾い集める。

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