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華のしずく~あなた色に染められて~

第12章 【残菊~華のしずく~】序章

 次の瞬間、五喜はその人の腕の中にいた。ふわりと抱き上げられた腕の中、その人が問う。
「名は何という?」
「五喜」
 五喜が無邪気に応えると、その人は微笑んで頷いた。
「そなたが京極の姫か」
「五喜様、五喜様」
 藍丸の声が近づいてきた。五喜はそっと地面に降ろされる。

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