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華のしずく~あなた色に染められて~

第12章 【残菊~華のしずく~】序章

「藍丸様、ほら、このような首飾りができましてございます」
 五喜が木の葉でこしらえた首飾りを見せると、藍丸は黒目がちのきれいな眼を見開いた。
「これを差し上げまする」
 小柄な五喜は伸び上がるようにして、藍丸の首にそれをかけた。
「ようお似合いになります」
 歓んだ五喜が言うと、藍丸の顔が紅潮した。
「五喜様、五喜様までが私を女子扱いなされますか」

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