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華のしずく~あなた色に染められて~

第12章 【残菊~華のしずく~】序章

「それにしても、五喜様。今日はお館様が我が屋敷にお忍びでおいでであったのです。それゆえ、私にも特別のお計らいにてお暇を頂いて、こうして家に戻ることができたのですよ。兄上などはご無礼があってはならぬと始終神経をとがらせておいででした。五喜様の姿が見えぬので、私も案じてお探ししましたが、見つかって良かった。遊びとはいえ、あまり妙な場所に隠れないで下さいね」
「まあ、お館様が」

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