テキストサイズ

華のしずく~あなた色に染められて~

第13章 【残菊~華のしずく~】一

「されば、そなたも大人におなりになったゆえ、本来の人質としての務めを果たすようにとのお達しがあった」
「本来の人質としての務め―」
 五喜は、その言葉を噛みしめた。青龍の国へ来てはや九年、その間、この家では我が身が人質だなぞと一度たりとも感じるような待遇を受けたことはない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ