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華のしずく~あなた色に染められて~

第13章 【残菊~華のしずく~】一

「承知致しました」
 五喜は手をついた。思わず涙が溢れて、畳へポトリと落ちる。
「哀れじゃが、すべては致し方なきことと思うての、時治のことは忘れて下され」
 時寿の声が遠くで聞こえているような気がした。

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