テキストサイズ

華のしずく~あなた色に染められて~

第13章 【残菊~華のしずく~】一

 秀吉からのお召しがあったのは、青龍の城へ上がって二日後の夜のことである。年輩の侍女に案内された先は、五喜が想像もしたことがないような不思議な部屋だった。
 広い部屋に大きな寝台がある。秀吉は南蛮人の生母を持つだけに、大の異国かぶれであるという。身の回りにも南蛮渡りの品々を置いていると聞いていたが、この大きな寝台も異国の人々が使うものだそうだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ