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華のしずく～あなた色に染められて～

第14章 【残菊～華のしずく～】二

　五喜は思わず振り向いた。懐かしい顔がそこにあった。五喜はもう何もかも忘れ果て、走り出していた。時治もまた裸足のまま庭に駆け下りていた。
「逢いたかった」
　すっぽりと時治の腕に包み込まれ、五喜は泣きじゃくった。
「時治様がどうしてここに？」
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