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華のしずく~あなた色に染められて~

第14章 【残菊~華のしずく~】二

 秀吉は既に三十五を迎える。確かに秀吉は男として、いや、人間としての魅力をすべて兼ね備えている。だが、やっと十六の五喜から見れば、秀吉は異性というよりは兄、または父のような存在にしか見えない。秀吉を人間として尊敬はできるけれど、男として愛せるかと問われれば、否としか応えようがないのだ。

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