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華のしずく~あなた色に染められて~

第16章 【夢のなか~華のしずく~】 光の祈り人

 この時、秀吉は心に固く誓った。ならば、自分は他の誰にもできないことを成し遂げよう、と。結局、自分は自分以外の人間でしかないのなら、秀吉は秀吉でなければできないことをやるのだ。それを生涯かけての目標にしようと思い定めた。
 次に千都に逢ったのは、二日後、ミサの後のことだった。その日から、秀吉は教会に来るときは、いつも眼帯を外した。
 千都はそのことについて何も言わなかったけれど、彼女が秀吉の心の大きな変化を歓んでいるのはよく判った。

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