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華のしずく~あなた色に染められて~

第16章 【夢のなか~華のしずく~】 光の祈り人

 その側室たちは一人は秀吉より年上であり、一人は年下であったが、いずれも美しいけれど、何の面白みもない女たちであった。あの女ちの頭にあるのは、秀吉の閨に呼ばれること、一日も早く秀吉の子を生むことだけである。
 ゆえに、女という生き物は、そのような些細な目先の利しか考えられぬものと思い込んでいたのだが、千都は「将来の夢は」などと、秀吉が想像もつかない話をふってきたのだった。

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