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華のしずく~あなた色に染められて~

第16章 【夢のなか~華のしずく~】 光の祈り人

「俺の夢は―」
 秀吉は言いかけて、わずかに思案した。あの日、千都にいきなり抱きしめられた時、秀吉はもうこれまでのように自分を否定しないことにした。あるがままの自分の姿を受け容れ認め、その上で自分にしかできないことをやると決めた。その夢は―。
「この国を戦のない平和な世にしたい」
 言ってから、大きく息を吸い込んだ。千都の反応を恐る恐る窺ったが、千都は笑うでもなく呆れるでもなく、真剣な表情で耳を傾けているようだ。

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