テキストサイズ

華のしずく~あなた色に染められて~

第17章 【夢のなか~華のしずく~】エピローグ(終章)―祈り―

 秀吉は、気が向くといつもふらりと町外れの小さな教会を訪れる。ここに来れば、千都に逢えるような気がするのだ。そう、この古い扉を開ければ、あの美しい少女の声が聞こえてくるような気がして。
―静かにして、今はミサの最中なの。
 しばらく聖母子像に向かって祈りを捧げた後、秀吉は静かに木の扉を押した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ