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華のしずく~あなた色に染められて~

第19章 【花紋~華のしずく~】 二

「逃げて、どうするというのだ。そなたはこの前、どこにもゆくところはないと申したが、これからは俺の側にいればいい。俺の側にいて、俺の子を生んで育ててゆけば良いではないか。それがそなたの生きる道だ、麗子」
 耳許で囁かれ、背を固い岩に押しつけられた。

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