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華のしずく～あなた色に染められて～

第19章 【花紋～華のしずく～】　二

「麗子」
　名を呼ばれたけれど、振り向きもしない。麗子は、ただひたすら蒼い空を眺め続けるのだ。
「聞こえているのか」
　声にやや苛立ちが混じった。麗子はゆるゆると振り向く。
「お館さまでございましょう？」
　虚ろな声で言うと、また、茫とした視線を空に投げる。
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