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華のしずく~あなた色に染められて~

第19章 【花紋~華のしずく~】 二

「そうだ、我が国では鳥は大切な神の遣いとされている。それゆえ、誰も山へ入って鳥を捕ろうとはせぬ。そなたは鳥を可愛がり、鳥と話をすることができる。今、鳥はそなたに何と申しておる、このまま何も見ず、語らず、生命尽きる日を待てと、そう申しておるのか!?」
 信斉の言葉に、麗子はそっと桜の枝先に止まった目白を見た。目白もまた、麗子の方を黒いつぶらな瞳(め)でじっと見返している。

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