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　麗子はもう一度、目白を見つめた。
　そんなはずはないのに、その時、麗子は確かに目白が笑ったように見えた。麗子の眼の前で、目白は二、三度羽ばたくと、やがて桜の花を揺らし空高く舞い上がった。
　蒼空の向こうに消えてゆく鳥を眼で追いながら、信斉がポツリと言った。