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華のしずく~あなた色に染められて~

第19章 【花紋~華のしずく~】 二

「城に戻って来い、いいな?」
 ふいに信斉に強く抱きしめて囁かれ、麗子はそっと逞しい胸に頬を押しつけた。
 どこかで遠く鳥の声が聞こえたような気がして、麗子は母に抱かれた子どものように安らいだ気持ちで、信斉の胸の中でそっと眼を閉じた。

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