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華のしずく~あなた色に染められて~

第22章 【夕桜~華のしずく~】其の壱~飛花~

「まさか! そのようなことありようはずもこざらぬ。お方様、我らが殿がどのように清廉潔白なお人柄であられたか、右府様をお慕い申し上げておられていたかは、最も身近におわしたお方様こそよくよくご存じのはず、間違うてもそのようなこと仰せになられますな。現に、事件当夜、殿は宴に出られし後、宿泊先へお戻りになられて、すぐにお寝みであったとの報告も届いておりますれば」
「では、何ゆえ、秀康様は―?」

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