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華のしずく~あなた色に染められて~

第23章 【夕桜~華のしずく~】其の弐~夕桜~

 秀吉、秀継らの葬儀の翌日、帰蝶は青龍の城の奥御殿の一室で荷造りをしていた。
 とりあえずは身の回りの荷物だけをまとめて持ち出し、後はおいおいに運ばせようと考えていた。そう、秀継のいなくなったこの城に、帰蝶の居るべき場所はどこにもない。かと言って、嫁して三年、今更、実家の藤堂家に身を寄せることも叶わず、ひとたびは外山一之進の屋敷に移ることに決めている。

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